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韓 徳(Bosco Deok HAN)

【スタッフブログ Vol.2】「支援」という言葉を脱ぎ捨ててー「周縁」から始まる対等な出会い

前回の初投稿では、函館ラ・サールでの教育現場や、これまでの交流事業の歩みについてお伝えしました。今回は、なぜ私たちが「バンブー・ペリフェリーズ」の名を掲げ、NPO法人として新たな一歩を踏み出すのか。その「核心」にある、私の不器用ながらも切実な想いをお話しさせてください。

「支援する側」と「支援される側」という、見えない壁

2016年からフィリピンやタイの現場を歩く中で、私はずっと、ある「危うさ」を抱えてきました。それは、ボランティアを「持てる者が、持っていない者に与えること」と決めつけてしまうことです。

私たちが訪れる「Peripheries(周縁)」――例えばタイ・ミャンマー国境のサンクラブリのような場所には、無国籍や貧困といった、目を背けたくなるほど厳しい現実が確かにあります。けれど、そこには同時に、便利な暮らしの中で私たちがいつの間にか忘れてしまった「生きていく力」が、力強く息づいています。

現場で若者たちが出会うのは、決して「可哀想な支援対象者」ではありません。私たちと同じように悩み、笑い、明日を夢見る「一人の尊厳ある人間」なのです。

揺れ動く心が、自分を変えていく

実際に現地を訪れると、参加した若者たちは、答えのない問いにぶつかります。

「なぜ、努力だけではどうにもならない格差があるんだろう?」

「なぜ、彼らはこれほど過酷な状況で、私よりも眩しく笑えるんだろう?」

その葛藤や、胸が締め付けられるような違和感こそが、学びの本当の始まりだと思うのです。 こうした問いは、帰国してからも彼らの心に静かに残り続けます。ニュースの向こう側の出来事が、「自分自身の問題」に変わる瞬間です。

私たちの活動は、単なる「体験旅行」ではありません。世界の現実を自分のこととして引き受け、今いる場所で、自分の日常を少しずつアップデートしていくこと。それこそが、私たちが大切にしたい “Think Globally, Act Locally” の姿です。

函館の足元から、世界を見つめる

この想いは、決して遠い国だけの話ではありません。私たちは地元・函館の地でも、生活に困難を抱える方々への食糧支援などを続けてきました。

2020年からのコロナ禍。海外への道が閉ざされた時、私たちにできることは何かと自問自答しました。それでも歩みを止めなかったのは、函館での活動を通じ、オンラインでつながるタイの仲間たちから勇気をもらっていたからです。

物理的な距離がどれほどあろうと、国内外の「周縁」に寄り添い続けたい。この小さな灯を絶やさず、より長く、より多くの方と共に歩める場所にしたい。その一心で、法人化を決意しました。

枠を越えて、手を取り合うために

これまで私は、学校や修道会という温かな場所で活動を支えていただきました。しかし、現代社会が抱える課題は、もはや一つの組織や宗教の枠だけで抱えきれるものではありません。

だからこそ、所属や立場、信仰の違いを越えて、誰もが「自分にできること」を持ち寄れる場を作りたいと考えました。

共に歩む、最初の一歩を

世界の「周縁」から始まる出会いが、若者たちの世界を広げ、未来を動かす力になると信じています。私たちはこれからも、函館の地、そしてタイやフィリピンの子どもたちと同じ目線で、一歩ずつ歩んでいきたいと思っています。

まだまだ未熟な私たちですが、どうか皆さまのお力を貸していただけないでしょうか。 共にこの歩みを支えてくださることを、心よりお願い申し上げます。

「韓国人だからでも、日本人だからでもない。あなただから」 無国籍児らを支援する函館の在日2世は、あらゆる分断に抗う(北海道新聞 2月9日 デジタル版)

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